となり町戦争
2/26(月)晴れ(日差しは春)

チケットもあったし、朝イチならその後のやらなきゃいけないことにも支障は出ない。
そう踏んで、新宿まで足を伸ばしました。
近年読んだ小説では群を抜いておもしろく、生々しい戦闘シーンがないのに戦争の痛さ、つらさを見せつけられ目から鱗が落ちた「となり町戦争」。
大好きです、この原作。
そして作者の三崎亜紀はその後の短編集でもすばらしくて、最新作は発売日早々に買ったのにまだ読んでません。きっとおもしろいはず。この人の作風、とにかく好き。
そんな原作大好きっこが、実写化されれば行かないわけはありません。
ですが、ものすごく不安でした。
あのひょうひょうとしたタッチを、どうやって映像化するのか。
あの「大切なものを失う痛み」をどんな風に表現してくれるのか。
第一、江口洋介で大丈夫なのか(原田知世はよさげだった)。

この中で、わたしの不安を覆してくれたのは「江口洋介がわりとよかった。そして原田知世がとにかくよかった」くらいでした。

はい、月曜の朝イチという条件もありますが、200人は入れる箱に二桁行かない観客という時点で気付くべきでした。
東京では、いえ関東では、新宿ともう1館のみの上映なのに。

開始早々、わたしはこれが本当に「となり町戦争」なのかと疑いたくなりました。
原作にはいないイカレタ駅員がいます。
しかもホームを挟んで主人公とキャッチボールしています。
ある日突然、回覧が回ってきて「明日から戦争です」のいきなりさがいいのに、この時点で台無しです。
そして屋外の喫煙禁止とかよくわからない条例で主人公は罰金を支払うことになります。
不条理さを演出したいのでしょうけど、まったくの蛇足。

原作ではさらりと流してある会社内の描写も執拗で意味がわかりません。

そうこうしているうちに、やっと戦争です。
ここからラスト前までは、どーいうわけか比較的原作に忠実になります。
時事ネタですが「おふくろさん」の作詞家が激昂しているのと似てます。
なんだか意味不明な前置きが追加されてるんです。

音響効果にこだわっているのでしょうけど、これも空回り。
とにかく不自然な描写ばかりで、わたしはトイレに中座しました。
あくびではなくトイレです…。
正直「なんだよ、これ…」です、1時間見て。

そんな中でももっともわたしを失望させてくれたのは一番泣ける、そして最高のラストシーンの変更です。
ヘンに原作に忠実に「闘争の木」は買うくせにただ買っただけで、その後BGにしかなっていないとか、そんなことはかすんでしまうくらいの衝撃です。

「大切なものをある日突然、何の前触れもなく理不尽に失う怖さ」がテーマだと思うのですが。
人が死ななくてもそのやりきれなさが原作に描かれていて、はじめて読んだときは本当に衝撃を覚えました。不覚にも胸が熱くなり、泣きそうになりました。
ところが、そんなラストシーンが、見事なまでに変わってました。
信じられないくらい安っぽいラストです。

原作大好きだと「なんだか自分の好きなものが汚された」と言う気持ち、今回初めてわかりました。
ひょっとしたら映画的にはデキがいいのかもしれません。
観客数はアレですが、なんせ月曜朝イチなんで…。
でも、わたしはこの映画は許せない。
原作の文字だけを追って、それで脚本を書いたんじゃないの?と。
外してはいけないコア部分を抽出せず、小手先のシュールな見せ方に終始した結果がコレ。
何をどうしたらあのラストになるんだろう。
別の意味でショックでした。

こんなことなら映画化しないでほしかった…。
もう一度時間のあるときに原作を読もうと思います。

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【2007/02/26 19:00 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
バブルへGO -タイムマシンはドラム式-
2/23(金)雨のち曇り(雨降っても寒くないね)

予定通り、いつものシネコンのレイトショーに行ってきました。
なにげに映画の趣味が合わず、やっと6ポイント目。
次回はタダで見られます。
でも見たいのは、新宿の単館ばかりなり…。

ホイチョイの映画を劇場で見るのは、なんと今回が初。
いや、テレビでやっても見ません。
軽そうだし、第一わたしの嗜好性には決してあいませんもの、
それなのになぜ?
いやぁ、それだけわたしも変わったと言うことで。

とにかくこの映画は一言で言えば「ヒロスエのヒロスエによるヒロスエのための映画」です。
もう、かわいい。
ヤバイくらいにかわいい。
無意味に競泳水着とか、チューブトップとかサービスしすぎですよ、おとうさん。
で、内容は予想通りの軽さでした。
ヘリウムガス満載でふわふわしたノリが全編を貫き通しています。
話を楽しむよりもディテールを楽しむことに主眼を置いているのは、素人目にもあきらかです。
チープなCGにわざとらしい合成シーン。
冒頭のシークエンスで「これは真面目にやっていない」感バリバリです。
ですが、これがこの映画の狙いなんだとわかれば妙に許せてしまう。
このあたりのあざとさは気にしないで、とにかく90年代のディテールに酔いましょう。

ただこの映画、ほんとに楽しめるのは30代後半から40代前半までです。
若い人には無理です。
17年前、あなたは何歳ですか?
私は22歳でした。まだ学生ですよ。
だからバブル景気は知らない。
でもビジュアルイメージは知ってる。
「あ、懐かしいな、これ」がなければ、軽薄短小な家族ドラマを2時間見続けるのはかなりシンドイでしょう。
正直、あの内容なら90分切っててもいいと思います。
無駄に長い。
でも、ヒロスエがかわいいからいいや。

舞台はとにかく狭いです。
ほぼ六本木界隈(含む赤坂)で済んでしまいます。
というより他は映りません。
新宿も渋谷も秋葉原も。いえ電車すら映りません。
ある意味「これは宇宙船内での出来事です」的な見事なまでの限定空間。
それで90年を表してしまうのだから、あそこが時代の象徴だったのでしょう。
そしてファッション。
これは見事でした。
ワンレン、ボディコンの世界に、ショートで中性的なヒロスエを持ってきたのは大正解でしょう。

なんだかんだで楽しめました。
たまにはあんなばかばかしい軽さもいいかな。
昨今流行のノスタルジー系をうまく取り入れ、それでいてホイチョイとフジのテイストが出ているのは、やはりさすがと思います。
過去に行く主人公の動機付けがあまりにおそまつなんで、だれだよこの脚本は!とか思ったら君塚良一でした。
「そーいうのはこの映画にはいらないの」と声が聞こえてきそうでした。
すげえや。

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【2007/02/24 01:11 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
仕事の合間に映画「DOA」
2/16(金)晴れ(風強い)

なんかむしゃくしゃするので映画を見ようと新宿まで。
とりあえず金券ショップで「DOA デッド・オア・アライブ」と「となり町戦争」を購入。
それぞれ前売り価格の1.3K。
時間の関係で「DOA」が先になるも、実は同じビルの映画館なので余裕でハシゴできると踏んだのだけど…。
それにしても狭い。
シネコンもどき気取ってるけど、スクリーンが畳二畳くらいしかない。
で、ガラガラ。
4人プラス予告の途中でもう一人増えて5人。
これじゃ金持ちのトモダチ宅でDVDをプロジェクターで鑑賞会じゃないかい…。

まったく期待していなかったけど、案の定なデキでした。
むしろ木曜洋画劇場で吹き替え鑑賞が望ましいです。
ご丁寧にアイキャッチ(いちいち画面転換でDOAと出る)まであるし。
タイトルなかったくせに。

あとデヴォン青木、ポスターとかイメージビジュアルではかなりわたくしのストライクゾーンなんですが、フィルムで見る彼女、ルーシー・リューもびっくりのそばかすだらけ…。
オリエンタルな美女にはそばかす必須アイテムですか。
特にOPはひどくて、髪をひっつめてるから目もつり上がってるし、そばかす&赤ら顔でうちのテレビ画面ならよかったのに…と悲しくなるほど。
あとのキャラはなんせゲームも2作目くらいまでしかやってないので、1作目にいたキャラくらいしかわからないんでどーでもよく。
かすみと同じくらいにゲームではキービジュアルに使われているレイファンも見るも無惨な配役だし(ちょい役)。

「クローサー」を撮った監督なのでちぃとばかりは期待したんですがひどいもんでしたよ。

繰り返しますが、きっと年内には木曜洋画劇場でオンエアしますよ、これ。
テレビ東京で、というのがこの映画の感想のキモですんで。

口直しに見ようと思って、前売りまで買った「となり町戦争」は時間が折り合わず断念。
ことこどくはずれる今日です。
【2007/02/16 17:12 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
わたしはあなたにクリフハンガーだらけなの
2/4(日) 晴れ(日差しほがらか、されど風強し)

ハンガリー人向けの簡単英語のテキストじゃあるまいしな表題です(モンティ・パイソンの「わたしはあなたにウナギだらけなの」が元ネタ)が、実は地道に見続けた「プリズンブレイク シーズン1」がようやく終わりまして、それを揶揄してみました。
途中でいきなり止まって(しかもめっちゃ気になるところ)後半のエピソードを約半年後に再開というのは、どうやら本国でもやった手法のようですが、なにもわざわざ国内DVDリリースで準拠しなくてもいいじゃんかよてな感じですが、商売としては大変お上手。
もっともどんな連中が出ていたのか再開当初はすっかり忘れていたので、そのあたりは諸刃の剣かと。
海外の連続ドラマものは、国内のドラマよりいっそういいところで終わらせて「次、気になる!」と次回を心待ち(オンエアなら次週、レンタルなら次巻)させるのですが、この「プリズンブレイク」は最たる例です。
もちろんその回独自のエピソードは気持ちよく終わらせるのですが、話の大筋に絡んでいる部分はまったく終わりません。終わるどころか次から次へと謎が出てきて、登場人物は複雑に絡み合います。
もはやこのシーズンですべての謎が明らかになるのは、素人目に見ても不可能なほどに。
ただ個々のエピソードがおもしろくて、やっぱり見ちゃいます。
意外な人物が出てきたり、ちょい役だと思ったあのキャラが絡んできたり、伏線だったのかそれとも後付伏線(おかしな表現ですが当初から組まれた予定ではなく途中から差し込まれたもの)かはさだかじゃありませんが、とにかく引っ張りまくった線に見てる方はいちいち引っかかるわけです。

こうして引っ張りに引っ張って、シーズンのラストエピソードは案の状のクリフハンガーです。

毎回毎回むやみに人が死ぬ「24」は、正直好きになれませんでした。
新キャラが出ると、もれなく「このエピソードのための死にキャラ」ってわかりますし。
とにかく人の命が軽くてイヤでした。
たしかにリアルタイムで話が進むのは画期的ですし、そこそこシーズンで話が収束するのはいいんですが…。

それに引き替え、犯罪者ばかり(なにせ舞台は刑務所)の「プリズンブレイク」は思った以上に人が死にません(あるエピソードをのぞく。これ書くとネタバレになる)。
それゆえに見続けられたってところも多分にあります。
死んでしまうキャラもそれなりに人物に厚みがありますし、王道ですが「走馬燈モード」も用意されてます。※走馬燈モードとは、わたしが勝手に命名した、死んでしまうキャラがその回に妙に引き立つこと。

しかしですね、クリフハンガーすぎます。
一言で言うなら「全然終わってねーじゃん!」です。
シーズン2がこの春からリリースされますが、本国でもまだ本放送中(現在15話までオンエアされてるみたい)で、きっとシーズン3とか4とかに続きそうな気配。
でも、はたして視聴者はそこまでの拷問じみた引っ張りにつきあうかどうかですね。
なんせ本国で評判落ちれば、即打ち切り。
謎は謎のまま終わるんですから。
何かの本で読んだかラジオで聞いたのですが、向こうのドラマはとにかくお金のかけかたが尋常じゃなく、シーズン1で終わることがまずないそうです。そのため次のシーズンも見続けてもらうような工夫として「終わらない結末」でまずは一回終わらせる。これがクリフハンガーたるゆえんですが、視聴者もバカじゃないのであまりにひどいと次回につきあってくれなくて、あえなく打ち切り。
そのため張り巡らせた伏線はおろか、謎のそのまま、結末も不透明なまま消えていった作品も少なくないそうです。
で、「プリズンブレイク」シーズン2のラストも、どっと疲れるようなクリフハンガーで終わるのでしょう。シーズン3につなげるために。
そういった意味では、個々のシーズンが独立して楽しめる「24」はいいんですが。

ともあれ、感想を一言で言えば「おもしろかったけど、疲れた」です。
でもシーズン2も見ちゃいます。

日本のドラマもクリフハンガー取り入れればいいのに。
中高年のおばさまたちから、ものすごい抗議が来そうですが。
「なんで終わってないのに、終わるのよ!」みたいな。
【2007/02/04 22:47 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
それでもボクはやってない
2/1(木) 晴れ(昼間の暖かさはどこへやら)

めぼしい映画もなかったこともあって、結局一月は一度も劇場に足を運ぶことなく終わってしまいました。
年間24本は行きたい自分としては、この一ヶ月ゼロはイタイ。
ノルマとかじゃないけど、やはり映画館に行くことがわたしなりの時間を有意義に使ったストレス発散なので、なるべくは出向きたいんですね。
そして今年一年、見に行きたい映画がたくさん公開されることを切に望みます。

そんな今年最初の一本は「それでもボクはやってない」です。
近場のシネコンは時間が合わず(今日は通常通り夕刻より業務アリ)、仕方なしに歌舞伎町に出かけました。
西武新宿で降りてミラノ座の脇を抜けると、新宿東亜会館の窓口が見えます。
評判の映画なので、いつもよりもかなり早めについたのですが、それでも遠目に見て上映作品のひとつの色が変わってる。
目をこらすと『ただいまお立ち見です』のフダ。
やられた…とうなだれ、やっぱりシネコンにすればよかったと後悔するのもつかの間、それが最下段のオスカー劇場と気付く。そしてタイトルは「どろろ」。あの舞台が迫り出た一番狭いハコなら立ち見も頷けます。
とりあえず目的の映画は上映開始前に少々並んだものの、いつもながらのいい位置(前から4~5列目)につけて、開始を待つことに。
ところがあとからあとから客が増え、気付けば久しぶりに赤の他人に両サイド挟まれる格好での鑑賞になりました。
シネコンならいざ知らず、グランドの窮屈ないすではエコノミークラス症候群にならんいきおいで体勢固定で見なければなりません。それも二時間超えで。

ところが始まってみると、そんなことはまったく杞憂でした。
とにかく展開がスリリング。
まるでドキュメンタリーを見ているかのごとく、不条理な仕打ちのつるべ落とし。
どうすることもできない歯がゆさと、それでももがく姿がなんともいえず重いです。
また、よく目にする役者たちなのに、それぞれの役柄(例えば裁判官、検事、弁護士)にしか見えず、本当に法廷内にいて傍聴しているような気分にさせられました。
聞いたところによると、今回は当初中年男性が主人公の人情もの路線だったそうですが、堂々たる社会派で大正解だったと思います。
見終わった後けっしてすっきりはしませんが、それはパンフレットを読むと(今回珍しく買いました)少し晴れますので、気になる人は買いましょう。決して先に読んではダメですぞ。ネタバレしまくりなので。
最後の力強い主人公のセリフをどう感じるか、どう捉えるかでかなり心証は変わるので、要注意です。

いや、正直、男ゆえに見ていてホントに怖くなりました。
小田急線通勤じゃなくてよかった(かつて川崎に住んでいたときは、いつも殺人ラッシュの急行に乗っていたので)。
たぶん、わたしならやってなくても、あっさり認めて前科一犯になると思います。

それにしても主人公の加瀬亮、うだつのあがらなさは天下一品ですね(ほめ言葉)。
あせってどもるところや、言葉が終わりきらずにどんどん次につなげていくところなんか、セリフに聞こえません。
作品の傾向が違うので引き合いに出すのはアレですが、わたしの大好きな映画の一本「リンダ・リンダ・リンダ」もセリフっぽくなかったんで、どうやらわたしはそういうのが好みみたいです。

年頭の一発目がこんな傑作だと次のチョイスがコワイです。
「どろろ」にしてたら、どーだったんだろ。
ほんとは「それでもボクはやってない」をシネコンのレイトショーにまわして…なんて思ってましたけどね。
狭いハコだし立ち見だしであきらめて、はたして正解だったのか否か。
レイトショー1.2kの200円分、「それでもボクはやってない」より満足させてくれるだろうか?
コワイもの見たさであります。

テーマ:それでもボクはやってない - ジャンル:映画

【2007/02/01 23:24 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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