GODZILLA ゴジラ (2014)
7/25(金曜) 晴れ(35.2度)

ハリウッド版ゴジラ。
制作費を湯水のように使い、予告編からにじみ出る大スペクタクル感。
映画秘宝ではまるで提灯記事のように賞賛コメントばかり。
また興行収入的にも大当たりで、中でも中国で大ヒットだという。

ようはエンターテインメント性の高い映画なのだろうと予測。

我が国では本日公開。
めずらしく普段はガラガラのユナイテッドシネマとしまえんですら、IMAXの初回上映は昨日の朝の時点で△マーク(残り座席わずか)。本日朝で第二回、最終上映時間でともに△。
ただし2D上映の9時の回はまだ座席に余裕があった。

午前中に作業して昼の暑い時間を映画館で過ごす腹づもりだったが、どうしても初回が見たくなり初期衝動のまま車を走らせ映画館へ。

ただあまりに期待値が大きすぎた。

2D版でよかったらIMAXで見ようと思っていたが、それも上映中何度も飽きるあくびに、完全に潰えた。

オープニングの記録映画風にまずつかまれたが、よくよく考えてみたらこれは「パシフィック・リム」と同じ手法。
あの映画はひたすら燃えた。
まさか芦田愛菜の芝居であやうく嗚咽を漏らすところまでグッとくるとは思わなかったもの。
唯一けちを付けるとしたら東京が舞台なのに車のナンバーが日本のそれじゃなかったという点か。誰か気づかなかったのだろうかスタッフ。

で、今回のゴジラはまず舞台が日本。その前に渡辺謙がフィリピンでとあるものを見つける場面があるが、このシークエンスどこかでみたような…。

さてその日本なのだけど、もはやお約束のトンデモニッポン。富士の裾野に原発。それもスリーマイルタイプ。さらには主人公の原発技師が住んでいる家屋がむやみにオールドトラディショナルジャパン。
部屋の中になんかそれっぽい怪獣のポスターはいいけど、「日本」の筆文字はいくら何でもやり過ぎだろう。
21世紀になっても日本のビジュアルイメージはあれなのね。
わざとかもしれないが、正直げんなりする。
そして出てくる日本人たちの発音がこぞってヘン。妙に高いトーンで叫ぶようにしゃべる。
「ブラックレイン」で「オヤブンガ、ダマッチャイネーゾ」「アイカワラズ、ヒヨッコ、ダ、ナ」を彷彿とさせる。

序盤、怪獣の出番はなく、ただただよくある家族の場面が映し出される。
もう、うんざりなんですが。

この時点で「パシフィック・リム」には遠く及ばないことに気づいた。

ギレルモ監督は、まずのっけからロボットバトルを見せて観客を引き込み、そのあと時間経過とともに主人公が立ち直るというわかりやすい人物描写。回想シーンでもロボは登場。
実は子供を飽きさせない要所要所でロボを見せる、非常に良心的な作りをしていたことが今期あのゴジラを見てあらためて思った。

今回の監督はデビュー作が「モンスターズ」。最後の最後まで怪獣が登場しない怪獣映画を撮った人。
だからじらす。
ゴジラ、なかなか出てこない。

出てきたのは、なんかエヴァの使徒とギャオスを足して二で割ったようなムートー(発音的にはムトーと聞こえる)。
むしろコイツが全編出ずっぱり感がある。
見せ場も多いし。

つい先日、金子修介監督のGMKを見たせいもあるが、今回のゴジラは確かに怪獣同士の戦いを描いているものの、人が巻き込まれない。
たしかにビルは壊れ、ひどい惨状にはなる。
でもニンゲンなんか無視して、闘争本能のままに戦う姿はそこにはない。
ムートーにしてもえさがニンゲンではないから、別に通り過ぎるだけ。
たまたま通った箇所に人がいたり、電磁パルスで機器が故障して飛行機が墜落するが、その描写もほとんどない。

大渋滞の先に旅客機が墜落しているところとか、なんかすべて事後なんだよ、描写が。

ハワイにゴジラ出現する際、あまりに大きな身体なので津波が巻き起こるが、アレもとってつけた気がしてならない。別に津波の描写は何か必然性があるのだろうか?
ゴジラの足下が濡れてなんてこともなく、気づいたら上陸しているし。

冒頭の原発事故といい、意味のない津波といい、さらには渡辺謙の持つ懐中時計が広島投下された原爆の形見だったり、わざわざ日本的な災難、災害を入れ込んでいるが、そこに意味があるように感じないため「嫌がらせかよ」としか感じなかった。

ゴジラはほぼ海を泳いでるだけ。
しかも戦艦が併走しているし、渡辺謙の乗り込んでいる空母の直前まで来ながらわざわざ潜って避けているし。

ようは行動が平成ガメラと同じ。
今回のゴジラは人を襲わない。

でも明確に人を救う描写もないから、カタルシスがない。

平成ガメラで、山間にてガメラとギャオスが戦っている際、超音波メスを子供を守るために腕をかざすガメラ(アレはたまたまだったのかもしれないし、意図を持って助けたのかもしれない。その想像が入り込める余地がまた楽しい)の姿を見て、観客は「おぉ!」と感じるし、「ガメラは人類の見方」と一瞬で理解できる最高のシークエンスだった。

ならば今回のゴジラはどうだ。
そういった場面は一切なし。
でも米軍もムートーは攻撃するが、ゴジラにはちょっとだけ攻撃加えるだけで、ほぼ静観状態。

おまえらの国ではゴジラは脅威ではないのか!
平成ガメラは人類の見方でも自衛隊にばんばん攻撃されていたじゃないか。

内容的な流れも、ほぼ平成ガメラ一作目と同じ。

なんとも肩すかしなゴジラ映画だった。
破壊スペクタクルは巻き込まれる側の描写がないと、ちっとも怖くない。
トランスフォーマーのように明るい場所で「このスゴイCGを見よ!」くらい割り切ったものならいざ知らず。

しかも主人公の役職もあってなきがごとしで、被害は数千人とかテレビのテロップに出ても主人公の周りの子供、家族はけが一つしない有様。

期待外れも甚だしく、いかに平成ガメラ、GMK、そしてパシフィック・リムがすばらしく奮い立たせてくれる熱い映画かということを再認識させてくれただけだった。
【2014/07/25 15:07 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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