第9地区
4/15(木) 雨(また寒くなる10度以下)

ディストリクト・ナイン。
北米では「アバター」よりも早く公開されていたのに有名俳優が一切でないということもあり、日本ではあやうくDVDスルーになるところだった作品(本国ではすでにブルーレイなどが昨年末に出ている)。
ドキュメンタリータッチということでかなり期待して見に行ったのだけど、期待違わぬすばらしいデキだった。

「アバター」と比べられる部分が多いが、宇宙人と人類とのふれあい(?)という生々しい部分では「第9地区」に軍配が上がる。
南アフリカ、ヨハネスブルグを舞台にしたのも大正解だと思う。
これがもし合衆国やヨーロッパ諸国だったら、印象はまるで変わっていたに違いない。
むしろ人類と宇宙人との共存共栄がテーマになり、お約束で主人公が宇宙船を直してみんな手を振ってバイバイのハッピーエンドだっただろう。
しかし「第9地区」では、より生臭いテーマが横たわっている。
差別だ。

あきらかに生理的嫌悪感のする宇宙人の姿に「彼らとうまくやっていこう」という気持ちは、どう考えても芽生えない。よほどの虫好きならともかく。
これは「肌の色が違い、言葉も通じない未開の土人」に対して、白人たちが感じていたであろう感覚に相違ない。
テクノロジーは人類よりもはるかに進んでいるのに、種の体系が昆虫のそれに酷似しているため、武装した人類を前に何もできない宇宙人たち。
力ずくで押さえつけ隔離しつつ、けして短い年月でない時が流れているというのに、まったく相容れない存在。それはまさに迷惑な隣人どまり。

主人公は、まさにその象徴だった。
「エビ」と蔑称し、けらけらと笑いながら宇宙人たちと接している姿には正直気持ちいいものではないが、ただ同じ人間としては共感せざるを得ない部分がたしかにある。
犬猫のような愛くるしい姿ならともかく、エビである。むしろ立ち上がった虫だ。
虫と共鳴できるほど、僕も達観できてはいない(せいぜいがんばって両生類、爬虫類、魚類まで)。

そう、きっと誰でもあんな風に接するはずなんだ、異形のものに対しては。
それが「第9地区」では実に生々しく描かれている。

しかし事態は途中急変し、主人公は狭間に立たされる。
どこまでも自分本位なスタイルゆえ映画的カタルシスは薄いが、それでも「もし自分だったら」と考えると、けして彼の行動は非難できない。

人道さのかけらもない企業、宇宙人相手にタフな商売を展開するギャング、企業が雇った傭兵に至ってはただの虐殺者に見える始末。
人間はとにかく醜い。
ここは「アバター」とも同じだが、「第9地区」ではことさらに宇宙人を美化せず、ただの難民扱い。
案外、地球の生活に順応している姿にバイタリティを感じるものの、やはりシンパシーは得られない。

絶望した主人公の行動はただのやけっぱちにも取れるし、いわゆるバディものにも見える。

傑作だった。
なによりヨハネスブルグ上空でピクリとも動かない巨大な宇宙船の存在感がすばらしかった。
予告編のみに登場するという尋問される宇宙人をyoutubeで探して見ることにします。

ちなみに元となった短編がyoutubeにあるのだけど、たったこの数分でも世界観の構築がすばらしく、また邦画のCGクオリティが足元にも及んでいないのが切ないところ…。


<今日の判定> ○
帰宅後、型取り敢行。
これでGWには複製、彩色のめどが立った。
今回はわりとスケジュール通りだわ。

テーマ:映画館で観た映画 - ジャンル:映画

【2010/04/15 19:04 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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