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告白
6/11(金) くもり(夜になっても気温下がらず)

湊かなえ、衝撃の問題作。
一人称とか生やさしいもんじゃなく、章はすべてひとりの独白。
ゆえに登場人物の内面がわかるのは、ごくごく限られた人数のみ。
それも相手のリアクションはない。
独り言にありがちな退屈な延々自分語りもそぎ落とされ、非常にソリッドな印象を受ける。
正直、これが映像化されると聞いて「いくらなんでも無理」「凡作はおろか駄作確定」と思った。
トリックを前面に推したサスペンスではチープすぎるし、群雄劇では感情移入の焦点が定まらない。
加害者、被害者、復讐するものされるもの、巻き込まれるもの、そして傍観者。
これが一堂に会した時点で、独白スタイルのこの作劇は破綻する。
そうに違いないと思っていた。

しかし、世の中にはこの「文字の世界」でのみ活かせる物語を、ものの見事に映像化してしまう職人がいたことを知った。
中島哲也監督。
この人の手腕、尋常じゃない。

まさに文字で読んで興奮してページをめくる手が止まらなかった「告白」の世界が、ここまで完璧に映像化されることを一体誰が予測し得ただろうか。
冒頭、なにげないいじめのシーンがある。
これは原作にはないシークエンス。
しかしそのクラスに日常的にいじめがあり、担任はそれに対して手を打っていないことがわかる。
そもそも担任の話に耳を傾ける生徒の方が圧倒的に少ない。
これは独白スタイルで始まる原作のシーンで、誰しもがイメージした場面。
生徒と担任の距離感。
劇的な告白にも、どこか自分たちには関係ないという冷めた反応。
しかしそれが自分たちに降りかかるや、一転パニック。
文字を追っていて、僕はここまでの映像が頭には浮かばなかった。
主人公の感情の起伏が極限までそぎ落とされ、鬼気迫る雰囲気を醸し出す。
きっとこんな感じだろうなと、多くの読者のイメージ最小公倍数で具現化。

もちろん原作を完璧にトレースするだけでなく、昨今の映画としては珍しい90分少々の尺に納めてある削ぎ方もすばらしい。

僕の大好きな最終章「バカですか?」の台詞には打ち震えた。
そして原作最後の台詞のあと、映画ならでは描き方が加えられている。

想像力が乏しい観客にはその通りのイメージで、裏読みしたい人には原作と同じくぼかした感じで。

ここまで完全な映像化できることもすごいことだが、きちんと映画としての完成度もすばらしいため、もはや今年度最高傑作としか言いようがない。

これはまさしく映画、映像としての「告白」だった。

タブーと思われた場面もしっかり描き、無名の子役たちの体当たりな芝居もサイコーだった。

人間とはかくのごとく勝手な生き物ゆえ、いじめられっ子がちょっとした逆襲する場面にカタルシスを感じてしまう等、見ている内面すらえぐってくれる。
いやはや実にいい映画だった!

ハリウッドリメイクとかいうけど、それだけは勘弁してほしい。

<今日の判定> ◎
見終わったあと、右隣の方も「これって完璧じゃん」と感嘆していた。
原作読んだのね、あなたも。
心の中で「同志よ!」と握手を交わした気分。

テーマ:『告白』 - ジャンル:映画

【2010/06/12 01:08 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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