気になる本
7/6(土) 晴れ(34度。猛暑)

造形関係でフォローしているツイッターのRTで知って、速攻予約をポチった「恐竜のつくりかた」なる造形指南本。
思えば長年折に触れて模型雑誌は買ってはいるが、造形指南書ははじめて。
今さら美少女フィギュアのHow to本など買っても何かの役に立つとも思えないし、ディオラマは大昔にシェパード・ペインのホビージャパン別冊を買った程度。しかも当時高校生では敷居が高すぎて、ただ眺めるだけだった。

恐竜というアイテムにはさほど興味はなかったが「初心者にもわかりやすい造形How to。夏休みの自由課題に」などと書かれているわりに、表紙の写真は超絶技巧。
ちなみに恐竜造形といったら針師カズやん(荒木一成)か、海洋堂の松村しのぶくらいしか知らなくて、この著者はまったくのノーマーク。
なので、どういったアプローチで作っているのか、そこも気になる部分だった。

そしていざ届いて驚いた。
まったく初心者向けじゃない!
スパチュラを駆使して、結局は実際の生き物のディテールをよく観察し、それを自身の作品にフィードバックせよというものだった。
唯一役に立ったのはテクスチャスタンプを別途作るというところだったが、結局はそれも実際の作例では未使用。
それについてつぶやいたら、作者からレスがあった。
以下、そのまま引用「紹介、ご意見ありがとうございます。テクスチャスタンプは、チャレンジの一例で紹介してみましたが、個人的には理論上簡単でも実際に使う技としては結構難しい気がしております。。テクスチャの例は実際にチャレンジして頂くときの独自のアイディアにつながれば嬉しいです。」

他のつぶやきがほぼ手放しの賞賛だったので、僕のはひときわ異質に映ったに違いない。
ちなみに僕のつぶやきは以下の通り。
「Twitterで紹介されてた「恐竜のつくりかた」
夏休み子ども向けの体裁だけど中身ハイレベルすぎ!でもせっかくテクスチャスタンプが紹介されているのに、結局はスパチュラで刻む作例ばかりなのが残念。」

ようするに「著者は自身ができる人なので、できない人へのレクチャーにはなっていない。
すなわち、子供向けの自由課題の体裁ではあるが、読んでもその通りに作るにはそれなりの観察眼が必要である」ということ。
初心者向けの作例が二体あるが、実際にチャレンジできるのはトリケラトプスがやっとで、とても首長の草食恐竜のディテールを「初級」と位置づけるのは無理がある。

イラストや3DのHow to本とようは同じ。
『できる人』が自身の作例の途中経過を記しているだけ。
一番知りたい「どうしてこうなる?(作る。塗る。このディテールを刻む)」の部分がストンと抜けている。

例えば塗装。
「境界線部分はぼかす」と書いてあっても、どうやってとは書かれていない。
ブレンディングするのだろうけど、それは「知っている人」向け。
僕自身、一度乾いた塗料をどうやってキレイにぼかすのかすごく知りたかった。
以前、高円寺のメタルフィギュアショップ・ジャイアントホビーに行った際に店員さんが教えてくれた「ファレホ(水性塗料。最近のお気に入り。まったくにおいがしない))は乾いた後アクリルシンナーで溶けるので、それでぼかすといいですよ」の方が、よほど具体的で親切だった。

例えばモールド。
どんなスパチュラを使っては写真を見れば何となくわかるが、強弱の付け方やディテールの方向性などは一切ふれられていない。
ようは「ゾウやサイの皮膚感から読み取って反映しなさい」である。

他のHow to本とまったく同じ「ある程度できる人、そして知識のある人」向け。
とても夏休みの自由課題で出来るシロモノじゃない。

僕が専門学校でレクチャーする場合、僕自身いわゆる二流の人ゆえに「うまい人はこうやってやっているはず。だからこのような手順でやってみて」と、How to本では教えないその「手前」を話すように心がけている。

一時期、メタセコイアという3Dソフトを触っていたとき、やはり気になったのはそこだった。
How to本を何冊も買って、結局もっとも使えたのは一冊だけ。
書名を失念してしまったが、かわいらしいクマの表紙で、低いハードルから徐々にステップアップしていき、まずは「作ることの楽しさ」を訴えている名著だった。

もちろん造形のすばらしさから刺激を受ける部分は多分にある。
まったくのご自慢写真集かというとそんなことはなく、テクスチャスタンプのページではかなり親切に作り方を伝授してくれているので、実にためになる。

とりあえずスパチュラを衝動買いさせるだけの造形インパクトはあったので、買って損はなかった。
ただ求めるものがいささか違っていただけ。

そしてamazonの説明にはこんな一文があった。
「未来の理系、美大系の子供達におくる造形入門書」
なるほど、最初から高いハードル設定だったんだ。
【2013/07/07 00:48 】 | たわいもない日記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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