デザフェス41始末記
5/17(日曜) 晴れ(29.5度)

たまたま近くになったことはただの偶然。
でもその作風や作品に興味を持ち「これはいいなあ」と感じて、その後のイベントで離れた場所でも挨拶に出向き、気になった新作があれば買い求め、ちょっとしたお話をする、たぶんこれが僕にとってのデザインフェスタの楽しみ方であり、もっとも充実する部分。

2008年からデザフェスには出ているので、もうかれこれ7年になる。
その前は二十代独身の頃ワンフェスに、さらに前大学4年の時にコミケに数回。
でもイベント毎にまた出ようと思ったのは、何かを作っても誰かに見せるすべが無く(写真を撮ってネットでアップするというのは写真技術が皆無のみとしては選択肢としてない)、たまたまお袋を羽田に送っていった帰りに立ち寄ったデザフェスの空気感、様々な自己表現の場、そして統一感のなさに、立体物は好きでも美少女フィギュアや超絶技巧ものしか見向きされないワンフェスとは違うものを感じ、「これだ」と。
当時は先着順でブースの角をおさえられたのが、今となっては懐かしい。

年に二回、豪州旅行でずっと出続けていた皆勤が途切れ、さらに規模が大きくなったことによる弊害で自ら出なかったことも最近あったように思う。

それなりの回数を出て、お隣や正面、真後ろに配置された方々はけっこうな数に上る。
たまたま足を止めて「これ、いいなあ」と、その次から必ず出向くようになったブースもある。
一方でもう出なくなってしまった方もいる。

最近の一期一会のご縁は、なんと言っても前回お隣だったgalaxy peolpeのブライアンさん。
外国の方なのだけど、その作風はレトロ怪獣人形のそれ。
しかもソフビなのに一体3000円(ドルだと30ドル。今なら会場で日本円の方が安く買えます)。

僕がすごくいいなと感じたのは、作品に照れが無いこと。
「これ、かっこいいでしょ」という自信というか、勢いを感じた。
日本のインディーズソフビ怪獣が好きになれないのは、造形はそれなりにかっこいいのにネーミングをへんにだじゃれやなにかのもじりにしてかっこ悪くして、なんかそれが「全力でかっこいいものを作ることが照れくさいから」に感じてしまうから。
でもブライアンさんの作品にはそれが無い。

特にお気に入りなのがセンサーバットという三ツ目のコウモリモチーフの怪人(怪獣?)なのだけど、それが今回よりによってマルサン、ブルマァク風バルタン星人カラーで塗装されたものがInstagramでアップされ、もうデザフェス当日が楽しみでならなかった。
ちなみにアカウントthegalaxypeolpeの当該写真には「must buy!」と勢いのみのコメントを寄せました。
ネーミングって大事ですよ。

センサーバットは旧作のアナザーカラーになってしまうのだけど(前回、これの畜光版を買った)、新作が三体たしかあって、そのうちのリザードタイプもあわせて購入。
これも畜光版でセンサーバットとは違って、メタリックブルーのクールな色合いがすごくキレイで、旨の背中に焼けたようなあとをブラシワークで重ねて再現してある。これ、すごく手間かかるハズ。
ほれぼれするほどかっこいい。

今回の目的は、上記のようにお気に入りの作家さんの元に行って新作もしくは作品を買い、ついでに少々のお話をすることがメイン。
というのもドールショウに比べてドールのヘッドのみ販売というスタイルが一般来場者に受けるはずも無いため、ドルショに行けなかった、もしくは買えなかった人たちを対象にしていて、あとは毎度おなじみの1/6特殊部隊仕様のハシビロコウとオニオオハシで注目されればいいや程度。

数年越しになるモンスターファクトリーさんは、今回もまた近い場所。
もともと正面に配置されてカエルっぽい立体物がありそれがずっと気になって、終演まぎわに買い求めに行ったらカエルじゃなかったというオチ。でもとても丁寧な、自分には真似の出来ない作風にその後もイベントのたびに挨拶を重ねるたびに、今ではすっかり顔なじみに。
球体関節可動人形の工業製品のごとき精度とか、もうこの人の突き詰め方は次元を超えてると思いつつ、気に入ったもの、気になったものをちょいちょい買わせてもらってます。

お二人いるお子さんも「こんな子供たちばかりだったら、どんなに世の中素敵だろう」と思うばかりで。
条件反射的に展示物を突っつこうとする子供と、それを止めない親という図式(今回は二件しか無かったけど)を見るに付け、「子供は仕方ない。でもそれをちゃんとしつけない親がダメ」とあらためて思う。

MFさんが二度目のお隣(と言うか背後)になった際、未だに忘れられないエピソードがある。
もう何度も書いたことだけど、当時机に小さなモンスターを並べるスタイルだった展示物を幼稚園児か小学校一年くらいの男児がうっかりふれて倒してしまい、その母親が手も貸さず「ほら、ちゃんと直しなさい」と注意。しぶしぶ倒れたものを直し始めるも、もともと小さいもので末広がりの造形物で無いため、なかなかキレイに元通りに並べるのは難しい。数体並べたところでかんしゃくを起こし、倒れてなかったものを全部なぎ倒してしまった。
それを見ていた僕は思わず「このクソガキ!」とあらん限りの悪態を付いて、その親に注意しようと思うも、それより先にMFのまゆこさんがほがらかな対応で「いいですよ~」と収めてしまう。
そしてその後片付けを行っていたのが娘さん。おそらくかんしゃくを起こした男児よりも年は下だと思う。立ち上る憤怒のオーラが目に見えるほどだったけど、相手には何も言わなかったのが、なんだか人のブースのことなのに勢い激高をあらわにしそうになった自身がいささか恥ずかしく…。

育てる人が違うと、こんなにも違うのかと。

高円寺の小さなカフェギャラリーでたまたま個展を開いていて、そのときに作家在廊という機会でお目にかかるに至った「ふくろのねずみ」のしぶぞーさん。
さっさと「ゲロゲロ団」に変名しておくべきだったと、もはや七年も経ってしまった拙ブース名「フリカエル人生」となんとなく「後ろ向きな」ネーミングでお互い覚えていて(実際はこっちがしぶぞーさんのファンなだけなのに)、以降何度か個展やイベントでご挨拶に伺うようになって。
グッズ展開が紙ものだけにとどまらず、いろいろ面白くて集めるのが楽しい作家さん。

今回上の階になってしまい、17時過ぎになってようやく足を運べたのが爬虫類横町の作家ゆぴてないさん。
この方の描くカエル、特にバジェット愛がすばらしく、もともとTwitterで見つけて以来のファン。
夏に静岡で行われるレプタイルズショーに出展されて以来、全買いは出来ないもののその時々のおもしろアイテム(お年玉袋だったり切手風シールだったり巾着袋だったり)を買って、着実にバジェットものを机の周りに増やしている。

もう一つ、今回は陶器のカエルも買ったものの(これも以前、お話ししたことのある作風とは真逆のとても気さくな陶芸家の方)うっかりブース名を失念。
でも陶器は修正が聞かないから、見た目的には何ら問題なくても作品としては不良品なので半額というものを買いました。水を入れると漏れてしまうそうだけど、そもそも飾って愛でるので全く問題なく、むしろこのデキがこの値段でいいんですか?状態。
でもそこに作家としてのプライドを感じ、感銘を受けました。

また出品者側サイドとしては、実は五年越しとなる年に二度お目にかかる背の高いメガネの(緑のカメラ持ち)好青年くん。彼は初期型のドイツ軍仕様のハシビロコウから気に入ってくれていて、でも当時は学生。
アイテムとしては制作費を考えると高いものでは無い(むしろ安い)ものの、自らのサイフから出すにはいささか高価ということで、バジェット人形をいくつか買ってくれているものの、肝心の本命たるハシビロコウには手が出ていなかった。
時は流れ、彼は就職を果たし、よし今回は買えるぞと思い、拙ブースに来た時には、珍しく誰かに買われたあと。それが今回も起きてしまった。
しかも今回は新たに作ったものでは無く、前回の残り。最後の一羽だった。
安くボディを仕入れられず、且つオビツ11用の小さいものをメインに作っていたため、1/6のハシビロコウは原型は改修してあったものの複製量産には至らず。

間違いなくかつての教え子さんよりも若いのだけど、非常にしっかりしていてインテリジェンスあふれる感じがする好青年で、話していて楽しい。
ついつい往来への対応もそっちのけで30分くらいいつも話してしまう。
今回は就職先のかなり興味深い話題だったが、さすがにオフレコ極まってるのでここには記さない。

ドールショウで買い求めてくれたのに、さらに買えなかった白もほしいとピコニーモボディ付きの白茶ウサギを持参してくれた方(かわいい服装がピッタリだったので写真に収めさせてもらった)、毎回ドールショウでお世話になっているちびっこ屋さんとはたぶん30分以上お話ししていた。なかなかドールショウではゆっくり話す時間が無いので、デザフェスならではという感じ。新作をフレンチブルに着せて持参してくださり、これもまたマストバイなアイテム。

Twitterで見て気になってとハシビロコウを買っていってくださった方、前回買いそびれたからと1/6ハシビロコウの最後の一羽を買ってくださった男性、先刻Twitterでナイスすぎるアングルでハシビロコウとオオハシを撮ってくれた上、ハシビロコウヘッドも購入してくださった男性、すでにInstagramで相互フォローをしているということだったので(顔は知らなかった)パグを買っていただく際「次回から3万になります」と初対面にもかかわらずハイブローな冗談(ヤフオクの値段)をかましてしまった方、いかんせん顔を覚えられないのが災いしているもののうちをひいきにしてくださっている方々等々と言う具合に、楽しい側面のみを語ると、なんとデザフェスは楽しい場所なんだろうと思える。

2015_5_16.jpg


でも、終わった直後はその楽しい気持ちが反芻できず、不愉快なこと、理解不能な出来事ばかりがリフレインするのが、自分の忌むべき性質。

「作品には手を触れないで」と目の前にカードが貼っているにもかかわらず、触って倒してしまうヤツら。
今回子供は触る直前に「触らないで」と注意していたので、実は一度も触られてはいない。

というのも、子供には必ず予備動作があるからだ。
興味を持って近づき、一瞬逡巡してから手を伸ばす。だから注意すると手が引っ込む。


今回、展示物のガマグチヨタカを複数回倒したのはいずれもカップルだった。
二人の世界で警告文が見えないのだろう。
しかも何の前触れも無く手が伸びてくるので、注意するまもなく触ってしまう。
触って何が起きるわけでも無いのに、人形に触れるから倒れる。
倒れなくても配置が換わる。ずれる。

展示されている人形、それも簡易ディオラマ風に舞台を整えているブース内ブースの一人であるガマグチヨタカに触ろうとする、その行動原理はいったいどうなっているのだろう。

空を飛ぶように展示したハニー柄のフレンチブルに触るのは、まだわかる。
こっちは圧倒的におばさん集団が多かったが、ああいった空間にいるものには手が伸びる習性でもあるのだろうか?

でも舞台を整えて並んでいる人形に触ったらどうなるのか、そんな想像力も欠如しているのがカップルばかりというのは、これもなにかの偶然だろうか。

バジェット人形は以前に比べたら触られる率はぐっと下がったが、目の前に警告文があるのにもかかわらず手に取ろうとするものが未だにいる。

袋入りの商品を手に取って裏返してみる、あの一連の動きもまったくよくわからない。
ドールヘッドだということが認識できてないようだが、じゃあ一体これは何だ?と裏返すのはやはり理解できない。
庭石をひっくり返したらワラジムシぞろぞろみたいなのが好きなのか、そんな太古のDNA記憶に促されての無意識行動なのか。

ドールショウでは確かに前回盗難に遭ったが、すくなくても故意に触るような来場者はいない。
それは「人形が繊細な展示物」という共通認識が来場者にもあるからだ。

ワンフェスでもおそらく同じだろう。展示フィギュアを突っついたりする輩はいないはずだ。それは未完成品ガレキを買い求めに来る層に「展示物には触らない」という了解があるから。

翻ってアートイベントとして銘打っているデザフェスはどうなのだろうか。
アートはおさわり自由なのか。

いや、単に来場者が「ちょっと大きな何でもあるショップ、もしくはフリマ」感覚で訪れているからなのではないか。
ようは運営側が打ち出している命題とやってくる層とのズレが、年々肥大化するデザフェスでひずみのようになっているように思う。

作らない人だからそのあたりの作品に対しての思いやりが欠如していると、僕は思わない。
作らない人でも「展示物には触らない」とすり込まれている人はたくさんいるはずだし(ものすごく近い身内に全く作らない人がいるのでヒヤリングした)、ではなぜ「触ってしまうのか」というと、つまるところ「それがいけないことだと知らない」からだと思う。

拙ブースを一体どれだけの人数が往来したのかカウントしていないから割合は不明だが、警告文を出さなかった時に比べれば圧倒的に触られる率は減った。
ようは「ダメと書いてあればダメだとわかる」人が大半で、それでも触る人はもうどうにもならない。

触るのに躊躇するような超絶技巧ものを作ればいいじゃないかという向きもあるかもしれないが、あいにく僕にはそこまでの技術力、表現力は持ち合わせてないし、今後も開花しないだろう。
でも作るのは好きだし、見て感想をもらえるのはうれしい。

買ってもらうデザフェスから展示したものを見てもらうデザフェスに意識をシフトしたのに、この「警告を無視した蛮行(触られて倒されるのは作り手としては許せない行為だ)」に、楽しい思い出を上書きされてしまうのは、実に悲しい。

もう七年も出ているのに、今更気付いたのかよと思う展示方法については、次回もし抽選に通った際には実践していきたいと考えている。
オビツ11は小さすぎて、いくらかわいい服装をさせても見下ろしになるため、注目度が低い。
一方の1/6ハシビロコウが客寄せパンダたり得るのは、その大きさ、高さだとあらためて思い知る。
【2015/05/17 22:41 】 | デザフェス用 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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