大アマゾン展と鳥獣戯画展
5/27(水曜) 晴れ(31.2度 完全に夏空)

連日キチガイじみた待ち時間(館内に入場するのに一時間以上。さらにもっとも有名な図版のある甲巻を見るのに二時間以上)で、ミニ巻物ほしさに前売りは買ったものの、正直完全に行く気が失せていた上野の鳥獣戯画展。

ただ行こう行こうと思っていた大アマゾン展も会期がそろそろ厳しくなってきたため、ならば一日で両方まわってしまおうということで仕事は今日は休みにして朝から出向いた。

上野に着いて、まず驚いたのがその人の多さ。
今日も五月としては異常な高温となる30度を超えるという予報。熱中症には気をつけましょうと言われているのに、上野の森には平日のど真ん中水曜日とは思えないほどの人。
そして修学旅行とおぼしき無数の集団。
ただ見た感じ、制服が初々しいので中一と推測。
それくらいの年代なら、バカなことはしないだろうし。

大アマゾン展は、実際どんな展示内容なのか実はよくわかっていなかった。

入館直後には大昔の翼竜の化石が展示されていたが、すでに復元予想図が鳥類のそれだったのは面白い発見。
翼竜と鳥類の違いは何だ?と思い観察すると、それは翼に着いた指じゃないかという思いに至る。
ただわからないのが、コウモリは指が伸びて膜を張っているが、翼竜は指が一本だけ伸びていて、そこから胴体に膜?がつながっているものの、膜の折れ目を司る骨が無い。
ようは鳥の翼と同じなのだけど、そうするといわゆるプテラノドンのような膜ではなく、鳥のような羽だったのではないか?と。
子供の頃の復元図とは完全に別物にアップデートされているため、とても面白い。

ただそれは長く続かず、ガッカリするハメになる。

それは展示物のほとんどが剥製ということ。

学術的に貴重なのはわかる。
でも剥製はどうにも好きになれない。
かつて命の器だったものという気分にはとうてい持てず、本物なのにどこかニセモノのような印象。

それが顕著だったのがオオハシだった。
オニオオハシをはじめとする、美しい極彩色の巨大なくちばしを持つ美しい鳥。
あのオレンジ、黄色のグラデーションがどうして必要だったのかは知るすべも無いが、剥製を見るとその美しさは微塵も無い。
というのもまるでペンキで塗られたような塗装が施されていたからだ。
オレンジのくちばしの先端に黒のワンポイントは、マスキングもしないでただ筆塗りしたようにしか見えなくて、とてもクオリティが低い。
せめてエアブラシ使えよ!と。
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当たり前だが死んでしまうとくちばしの色は落ちるのね。
触れる展示物にオニオオハシのくちばしがあったが、まるで爪切りで切り落とした爪のような妙な透明感はあるものの、かつてそれが美しいグラデーションに彩られていたくちばしであるとは、とうてい思えない無残なシロモノだった。

他の鳥たちも一様にくちばしが美しいものは塗装されていた。

骨格標本は、普段見ることの出来ない中身の構造がわかるので、興味深く見ることが出来る。
でも剥製はダメだ。
どうしてもダメだ。
むしろ悲壮感しか感じない。

結局のところ、見所は最後の4K画像のアマゾンの景色。
物販コーナーのさかなクンのアマゾン記くらいだった。

科学博物館内のレストランでパンダプレートと言う名のオムライスを食べてから、向かった先は鳥獣戯画展。
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14時前にして入場に一時間待ち、甲巻を見るのに160分待ちという。
ちなみに閉館は17時なので、今から並ぶとようやく閉館時間に見られるというもの。
ただ博物館の計らいで、17時までに甲巻の列に並べば、例えそれが21時になろうとも開けていてくれるらしい。
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完全に夏空のもと展示案内。これ五月なんだぜ?

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もっとも二時間半並んで見るものなのか?と言うと、僕は人混みの中で絵を鑑賞するほどばかばかしいことは無いと考えている人なので、本館にあるレプリカ(模写)で充分と思っていた。

朝日新聞がレア感をたきつけて、普段は鳥獣戯画に興味のキョの字も無い人たちが、大挙して訪れているのは明白。
というのも、列の整理を担当している職員さん曰く、前回の公開時はがら空きだったという。
先だって六本木で行われた若冲展もそうだ。

絵画は誰にも邪魔されず、ゆっくりじっくり見ることが出来なければ意味が無い。
もちろん人気作ならば、ある程度の時間的制約は仕方が無いが、それでも流れ作業で見ていくものでは無いし、そんな見方で一体何が感じ取れるというのだ。

というわけで、人混みでひたすら気力も体力も奪われる始末。
高山寺所蔵の子犬の彫刻が驚くほど柔和で(当然人気は無いからゆっくり見られた)、それがせめてもの拾いものだったことくらいか。

むしろ隣の本館で後悔されている明治時代の模写の鳥獣戯画の、そのあまりに精密な模写具合に感動を覚えたほど。
手前に巻物が展示され奥のパネルにオリジナルの一部が掲げられているのだけど、ほぼ間違い探し状態。
もっと「なんちゃって鳥獣戯画」だと思い込んでいたのに、こんな精密なレプリカが出来るのかと。

目で見たものをそのまま描くことが出来る能力を持つ人がいるとよく耳にするが、まさにその筆によるものだろう。
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特に四巻目、おそらくもっとも人気の無いほぼいたずら書きのような巻をどうしてここまで再現出来るのか、むしろその方が驚愕だった。

美術展に行くと、なんらかの刺激を受けて帰ることがひとつの喜びなのだけど、今回ばかりは得るものが無かった。
いや、あの人の多さで何かを得られるほどじっくり見ることは出来ないから、最初からわかっていたことではあるのだけど…。
【2015/05/27 21:21 】 | たわいもない日記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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