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セーラー服と機関銃 卒業 二回目
3/15(火曜) 晴れ(13.1度)

今日は自由席なので、前回よりも一列後ろほぼ中央を選ぶ。
上映開始までに集まったのは僕を含めて六名。
爺が二名、壮年女性一名、中年男性二名(自分含め)、やや若めの男性という客層。
前回は女性が一人もいなかったので、この壮年女性は珍しい。

内容は頭に入っているので、場面の補完や聞き取れなかったセリフに集中。
あとパンフで気付いた点とか、そういった部分も。

「カ・イ・カ・ン」のセリフはとってつけたようなエンドロールあとの浴衣姿にかぶせているだけかと思い込んでいたが、冒頭の機関銃発砲シークエンス後の居眠り寝言で言ってたんだ。
完全に忘れていた。
後半のインパクトが強すぎて、この前作オマージュのセリフをまったく失念していたが、これはなるほどというつなぎ。
そもそもカチコミかけてマシンガンぶっ放して「カ・イ・カ・ン」もへったくれもないし(前作薬師丸ひろ子版の印象はこれくらいしかない。当時は赤いマズルフラッシュだし、薬莢も飛ばないし、効果音もダダダダだし)。

僕がこの映画を特に気に入ったのは、映画で描かれている前の時間が流れていること。
回想シーンや説明セリフではなく「こういうことがあったから、今この場面につながっている」ことが、何気ない描写から感じ取れること。

主人公がとってつけたような事件に巻き込まれて、それがなんだか大がかりだからそれまでの日常とかバックグラウンドなんかがなくても勢い見終えてしまうタイプではない。

別に細かく説明臭い人物描写をしなくても、何気ないやりとりの中で描くことは可能なのに、昨今観客の想像力によらない親切丁寧な作りが目立つ(もしくは完全に制作側の自己満足でろくに描かず、勝手に想像しろ的な投げっぱなし)から、そういった意味でもこの映画が好きになった。

橋本環奈の役どころ星泉がやけに貫禄があって、やくざ相手に単身乗り込み啖呵を切る、まったく物怖じしないことに違和感を覚える向きもあるようだが、彼女は高校一年でやくざの親分になり、さらには敵対する組織に乗り込み機関銃を乱射しているわけなので(その後目高組は解散しているが)、そこらにいる女子高生がいきなり親分になってしまった前作の戸惑いやおびえがまるでないことは、むしろ正しい描き方。

なにしろ「セーラー服と機関銃」自体、今回が四回目(うち二回はテレビの連続ドラマ。三作目の長澤まさみ版はけっこう設定を変えているらしい)なので、前の作品と同じように描くよりむしろ「その後」を描いて別アプローチ(いきなりやくざの親分になってしまい戸惑う女子高生という描き方は捨てる)にしたのは大いに評価すべき。

ただ残念ながら「橋本環奈」と「セーラー服と機関銃」というキーワードだけを客が呼べると広報が勘違いしたのが最大の誤算だろう。
事実、三週間で上映終了は完全な打ち切り。
少なくても劇場まで足を運んだ人すらさじを投げてしまうようなトンデモ映画ではなく、意外にも評価が高いからこそ、この不入りは恨めしい。

突っ込みどころもたしかにあるし、その最たる部分が右腕に被弾したはずの武田鉄矢が右手でそのまま発砲はアドレナリンの関係だと補完できるが、最後その撃たれた腕を橋本環奈に担がれているのは左手に証拠品をおそらく入れたバッグを持つしかなかったからと擁護できるとしても、そのあと幾度となく右手で大げさな芝居をうってしまったのはいくらなんでもなんとかならんかったかなあ。
なんか足を引きずっていたけど、二発撃たれた一発は足にでも当たったのかな?

それでも長回しのアドリブの応酬だったという、落ち込む星泉に対して二人の組員がなぐさめる場面はやっぱりおもしろいし、墓堀シークエンスはキャンキャンした叫び声しか上げられない昨今の若手女優の芝居よりはるかによかった。

あと旧来のやくざ同士がちゃんと顔見知りというのも好きな描き方。

画面の面白い演出としては、ギラリと発光するものが背後にいきなり現れる点。
おそらく鏡か何かなのだろうけど(目高カフェの神棚の鏡もやはり光っていたし)、真夏の熱い日差しを入れ込む演出だったのだろうか。

脚本がよくないという感想も目にしたが、星泉がなにかをしようとするとそこに事件が被さってきて(都合二回それが起きる)、結果的にその行動する場面は画面には映らないところで動くことになるという描き方でなかなかおもしろい。
そういやあれってどうなったんだっけ?と思ったら、話の途中で別のことが起きてしまったんだと、二回目の鑑賞で気付いた(一回目は夢中になりすぎて忘れてしまってた)。

また春雄がいつ撃たれたのかが一回目ではわからなかったが、ちゃんとビル窓が開いてそこから発砲されていたことに気付いたし(しかの春雄はその際にのけぞってる)、動きの大きいところだけ見ていると気付かない描写がある。

せっかくくせ者俳優たちを向こうになかなかよい芝居をみせてくれた橋本環奈が、今後流行のイケメン俳優両脇に従えてスウィーツ映画にしか出なくなったら、あまりに惜しい…。

打ち切り前にもう一度くらい足を運ぼうかと考えてる。
【2016/03/15 19:26 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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