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14の夜
12/28(水曜) 晴れ(8.1度)

普段は斜め読み程度の映画秘宝大槻ケンヂ連載の若手女優インタビュー記事。
super girlと言われてもピンとこない、いわばアイドルがヤンキー芝居をしたというもの。
いつもなら気にも留めない。
でも内容がどうやらちょっと昔(1987年が舞台設定)の中学三年生男子のおっぱいにまつわる話だという。
ようはそのアイドルはおっぱい枠として劇中に登場するらしい。

ちょっと昔の世界設定と思春期バリバリの男子、そしておっぱいというと、綾瀬はるか主演の「おっぱいバレー」を思い出す。
あらすじを読んだ印象は、綾瀬はるかの出ないおっぱいバレーだ。
ノスタルジーとしょうもない性衝動男子は、その頃を生きた現在は中年男子としては捨て置けない。

公開初日は12月24日という。

とりあえず一日早く仕事納めになったので、この機会にと新宿へと足を伸ばした。
テアトル新宿は初めて入るハコだったが、今時のシネコンとは違い、スクリーンはひとつ。
ただ上映作品は三つ。それを時間によって変えているようだった。
初回上映は、話題のアニメ「この世界の片隅に」だった。
どうやら立ち見らしい。

12時上映開始ながら、最初の10分は予告編。
おもしろいのは劇場内が暗くならないこと。
また流れる作品はどれも単館上映っぽいものばかり。
逆にど派手なCGIのビッグバジェットものじゃないから、予告を見ているだけでもけっこう楽しい。

肝心の内容だが…。
そこそこ楽しめたが、700円だかするパンフレットは買わなかった。
そこまでの魅力を残念ながら、僕自身は感じなかったから。

そして事前に読んでいた映画秘宝のインタビューが相当なネタバレで、よりによってストーリー後半とラスト前のシークエンスに絡んだ部分だったということ。
ただの描写ではあるが、知らずに見るのと「そういえばあのインタビューにあった描写、まだ出てきてないよな」とさながら答え合わせのように見るのとでは分けが違う。

そう「ターミネーター2」でシュワルツェネッガーが「今回は人を殺さないんだ」と、事前に少年マガジンかなんか(エンドスケルトンの写真がかっこよかったので、普段は買わないのに買ったらとんでもないことが書かれていたと言う)でネタバレされていて、もう台無しだったのを思い出す。
あとは「ハンニバル」を今夜見に行くんだと言ったら、当時の同僚(と言っても彼はアシスタントだった)が脳を食べるシーンがグロいと、信じられないネタばらしをしてくれたのと似る。

まぁそこまで大事なシーンでもない、すごく短いショットだけど。

とにかく気になったのは、台詞回しが昭和のそれには感じないところ。
監督は1972年生まれ、僕よりも5歳年下だが、完全無欠の昭和世代。
ゆえにノスタルジー要素を今作に入れてきたのだろうけど、演じているのは当たり前だが平成ッコ。

似たようなテーマのしかしおっぱいバレーでは、台詞回しに違和感を感じなかった。

思うに、おっぱいバレーはあくまで綾瀬はるかが主演。中学生5人は脇役。
先生のおっぱいを見るために部活をがんばるという明確な目的意識があり、そこに邁進するから、印象的には優等生の部類。
今作は目的はあれど、そこに到る手段がない(レンタルビデオ屋に来ると言われているAV女優に会いに行くのが目的なので、なにかがんばってやらなければいけないものがない)。

とにかく今風の言葉遣いが気になった。

また彼らが乗る自転車は確かに昭和テイストなのだけど、ロケの都合なのはわかるが、住宅街を二人乗りで走る場面で写る車がどう見ても現行車輌。
型落ちのマーチが写ったが、あれだって昭和の時代には無かった。

主人公の姉の婚約者の車はさすがに大写しになるので、ナンバーも車種もちゃんと昭和仕様だっただけに、ホンの些細なところではあるが気になってしまった。

ちなみにインタビューで散々ネタバレしてくれた浅川梨奈は近寄りがたいレディースを見事に演じてくれてはいたが、ほとんど出番が無くて残念だった…。

できれば主演ひとりに絞らず、おっぱいバレーのように最後までグループで動いてほしかったが、それだと全く同じになるからフェードアウトさせたのだろう。

彼らの翌日が気になる。

きっと今まで通りだろうけど。
【2016/12/28 17:52 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
シン・ゴジラ 三回目
9/16(金曜) 曇り時々雨(24.7度)
godzilla.jpg

同じ映画を三度劇場で見たのは、これで四作目。
もっとも一番最初の1982年の「機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙」は初回のみロードショー公開で、
二回目と三回目は名画座で見た。それも今は亡き地元中野の武蔵野館だったと思う。
冒頭のドメルパトロール艦隊との戦闘シーンは何度見ても飽きない。

次は1983年公開の「スターウォーズ ジェダイの復讐(今はエピソードⅥ ジェダイの帰還と改題)」。
これも初回以外は名画座だった。
スターウォーズ自体大好きというわけでもなかったし(現に帝国の逆襲は劇場で見ていない)、なんで三回も見に行ったのか今ではよくわからない。
スピーダーバイクのシーンが好きだったようだが。

三作目が1999年公開の「ガメラ3 イリス覚醒」。
これは今ではマイフェイバリット映画の一本に必ずあげるほど好きで、初日にコマ東宝で見たのだけど、序盤の渋谷でのガメラとギャオスの死闘がすごすぎて、これはもう一回行かなきゃならない!と。
たしか一週間後に、別の新宿の映画館で見たのだけど、ここが狭い上に音響も悪く、ギャオスの四散した肉片は公園に落下して浮浪者が押しつぶされるシーンの「ぐちゃ」と言う音が聞こえないのを筆頭に、圧倒的なひどさに泣きたくなった。
そして三度目は、当時の大学の友人たちと「やはり見るなら渋谷でしょう」ということで見た。
今まさに通ってきた場所が死闘の場ということで、もうアドレナリンでまくり。
見て正解だった。

それ以来、二回見ることはあっても、なかなか三度目まではなかった。
行きたいと思ってももう終わってしまったり(先だってのセーラー服と機関銃は三度目行きたかったが旅行に出掛ける予定があり、戻ってきたら終わっていたという悲しい展開)、上映回が朝一や夜遅くとかあまりに変則的なシフトに替えられて行けなくなったり。

一般的には今ひとつ評価が思わしくない「キャシャーン」も公開初日、翌週あたりに二度目(当時の教え子さん二人を連れて。でも二人には極めて不評だった…)。
「スーパーマン・リターンズ」は公開初日、そして翌日に二回目という、今までで最速の二度鑑賞。
もっとも昔は一度入場してしまえば二回目を見ることが出来たので「ガメラ 大怪獣空中決戦」は公開初日に二回連続で見た覚えがあるけど。

というわけで、今月頭に行きたい行きたいと思いながらも、なかなか行けなかった二回目を見に行ったシン・ゴジラ。
今週の月曜、ちょっと仕事の時間が空いたので三度目行こうかとも思ったが、ドールショウの販売物の仕上げがいくつか残っていたので、そっちの優先して製作し(結果それがよかった。火曜以降あほみたいに忙しくなったし)、まぁ三回目は行かないかな?と思っていた。

ところがその火曜から激務で、自分でも褒めてあげたいほど続く水曜木曜とがんばった。

こうなってくるとねぎらいがほしいと思うのが心情。
今の自分にとっては映画館が唯一自分の時間として、携帯の電源もオフにして下界と遮断出来る空間。
在宅ワーカーのつらいところは、目が覚めたら仕事、寝る直前まで仕事、トイレに立っても仕事のことを考えてしまう点だ。
もちろん休憩は取るが、それでもやることが残っていれば完全なオフにはならない。
ここ最近は意識して土日はパソコンから離れるようにしているが、週またぎで仕事があるとどうしても気になってしまう。

逆にうちにいなければ、強制的に仕事への意識を遮断出来る。
英会話教室に通うようになったのも、もちろん海外でコミュニケーションを取りたいという理由からでもあるが、主だった理由は強制オフの方だ。しかも他人と生で会話が出来る(英語だけど…)から、一挙両得。

大入り満員のお礼として入場特典が上映始まってすでにひと月以上経っているのに配られて、それもほしかったというのもある。
ただそれがなくても今日は行った。

そして出来ればもう一度行きたいと思う。

何がそんなに好きなんだろう?と思うけど、やる気を削ぐイヤなキャラがいないというところだろうか。

ちなみに例の放射熱線のシーンは、自身の気持ちの問題もあって「ゴジラ、やったれ!」と初めて思った。
ゆがんでしまったなあ。
【2016/09/16 20:52 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
シン・ゴジラ二回目
9/2(金曜) 晴れ(31.3度)

初日に見て以来、ずっと二回目を見に行きたいと思おうも、夏休みや異例の大ヒットで盆休みは大入り満員で行けず、それが終わっても仕事の関係上なかなか平日昼間に行くことままならず。
フリーランスなんだから、そのあたり自由に時間調整できそうなものだが、仕事をほったらかして二時間、いや往復の移動時間を含めたら三時間あけるのは、どうにも気持ちが落ち着かない。

じゃあ休日やレイトショー行けばよいのだけど、そもそも休日は休日でほかにやりたいこともあるし、日中デジタルワーカーで目を酷使したあとのレイトショーはけっこうキツイ。

気付けば上映からひと月が経っていた。
幸いユナイテッドシネマではIMAXでの再上映が始まり、しばらくは終了しないだろう。

普段はやらない時間まで、昨日は仕事して今日の午前中に終わらせることが出来れば、なんとか午後15時の回に行けるかもしれない。
もっともその午前中、というか昼前の一時間は六月中旬より英会話教室に通っている関係上、あまり時間がない。

それゆえ、ほとんど仕上げる寸前まで昨夜がんばり、あとは残りの細かい部分の調整をなんとか仕上げる。
そのまま送ってもよかったのだけど、あまりに慌ただしく作ったものなので、そういったものはたいがいポカがある。
ひとまず英会話教室に向かい、今日もカルチャーショックを受けて楽しく終えてから、昼飯を急ぎ食べてからデータを確認。
幸いミスはなかった…と思ったら、非表示のレイヤーがあった。
動作がわかりやすいように、直接動きには関係のない部位は非表示にして作業を進めるのだけど、最終的には当然そのパーツも必要なので表示してないとマズイ。でも往々にして忘れてしまう。

そのままデータを送り、なんとか15時の回には行けそうな感じに。

さすがに平日金曜日15時ということもあって、もっとも大きな箱でも三割程度の客入り。
一応、ユナイテッドシネマでは金曜は会員サービスdayなので、1kで見られるのだけど。
もっともレイトショーもあるし、IMAXも4DXもあるので、リピーターはそっちを見るだろう。

ちょうどど真ん中の席が取れて、左右に人もいない。
これならあの明朝体つるべ落としな表示群も余すところなく見ることが出来るだろう。

内容は当然二回目なので頭には入っている。
もはや呑川を遡上してくる、いつまで経ってもうつぶせでシャイな巨大不明生物に対しても、そんな衝撃はない。

しかしだ。
面白い映画っていうのは、そのファーストインプレッションの画的な衝撃よりも話の運び方にあると、僕は捉えている。

ゆえにシン・ゴジラは中盤までの「まるで本当にそこで起こっているような事象を追う作劇」がとにかく面白い。
話の筋道はとうに知っているのにワクワクする。

立ち上がったゴジラに対して、偵察ヘリが四機対峙するシーンとか、ホント緊迫感あふれる名シーンだ。
やる気満々の女性防衛大臣と、隣に座る自衛隊幕僚のひょうひょうとした雰囲気もいい。

初見では気になったあのエヴァの「デンデンデンデン・デンデン」の曲も、繰り返しサントラを聴き倒していたので、まったく問題なし。またいきなりモノラルになる伊福部音楽も、鎌倉上陸時やヤシオリ作戦での使用楽曲がやはり燃える。

ただ効果音だけは二度目でも気になってしまった。あのガレキ音だけはひかえてほしかったなあ。
いかにも作り物っぽくて安っぽく聞こえちゃう。

それにしても二度目でも十二分に楽しめたし、機会があったらもう一度みたいと思う。

別に謎解きがしたいとか、見逃した描写を確認したいとかではなく、単純に未曾有の危機に対して立ち上がる日本人たち(と言っても市井の民は一切いないけど。むしろそこはバッサリカットしたのがよかったと思う)の姿がとにかくかっこいいんだ。

タバ作戦はやはりあの流れの中で見ると、身震いするほどかっこいい。
まるで歯が立たないのにひたすら攻撃を続行するあのひたむきさ。
一方でいきなりグアムから飛んできて、大挙もままならないのにバンカーバスターを見舞う米軍機。

初見から石原さとみの芝居に対してはまったく気にならなかったクチだけど、あのドアップでむっちり唇を何度も見せつけられると、眠れる男子が目覚めてしまうなあ。

合成の甘い部分は時間をかけてリテイクして(最初の出現時や電車のあのシーンが少々浮き気味)、ソフト化の際には完璧版にしてほしいです。

個人的に好きなのは初上陸時でビルに倒れかかるときの、首に関節が入っていないような着ぐるみ感あふれる倒れ方と、最終決戦で倒れてビルをなぎ倒すところで重みで一度ぐぐっと沈んでからガガッガガッとビルの内部に沈み込んでいくところ。
あの重さ表現とかすごいなあと思ったわ。
【2016/09/02 20:25 】 | 映画鑑賞記 | コメント(1) | トラックバック(0) |
デッドプール
7/4(月曜) 晴れ一時雷雨(34.7度)

ユナイテッドシネマの会員券の更新で、七月いっぱいまで映画一本いつでも千円(もちろん3DやIMAX、4DXはのぞく)が見られるわけなのだけど、例年たいがい行使せずにタイムオーバーになってしまう。
別に見たい映画がないわけではないのだけど、どうも平日のスケジュールが立てづらく(だったら一般社会人みたいに土日に行けという話なのだけど)気付いたら終わっていたというパターン。

現に先日「アイアムアヒーロー」を見に行った際にもらった六月いっぱいまで1200円で見られる券は使いたい映画はあったのに行かずじまい。もったいないことをした。

家にいても暑いし、それならば映画館にでも涼みに行こうと。
「クローバーフィールドレーン」も気になったのだが、レビューが今ひとつ思わしくなく、また密室劇らしいのでスクリーンでなくてもいいかと、アメコミ映画はあまり見ないのだけど「デッドプール」をチョイス。
映画秘宝がくどいまでにプッシュしているのだけど、本当にそこまで面白いのか?と確かめたくなったというのも動機のひとつ。

そもそも初めてデッドプールのデザインを見たのは、何年前の話だろうか?
あからさまにスパイダーマンと記号が重なっていて(赤いスーツにフルフェイスマスクは楕円形の目玉に黒地に白)、いくら何でもこれはいいのかよ?と。
最初、DCのキャラかと思ったら、同じマーブルだという。
コミックの中ではスパイダーマンへのセルフパロディもあるという開き直りっぷりに、興味を持つどころか痛々しさまで感じて、まったく好きになれなかった。
そのうち日本語訳されてコミックも出たけど、一人称が「俺ちゃん」というのも鼻につき、実写映画化といわれてもまったくピンとこなかった。
だいたいスパイダーマンにしか見えないし、首から下のデザインや能力が全くの別物と言われてもね。

ただしきりに映画秘宝でその実写版のスーツ写真が載るようになり、さすがに見慣れてきて(刷り込みというのは恐ろしい)、コロッサスがCGIながら登場する、いわばX-MENと同一線上の世界観というのも若干気になってきて(とは言えX-MENは格ゲーを少々やったくらいで、ちゃんとコミックは読んでいないし、映画も今ひとつ乗れずだったが)、見た話だと割と面白いというから、ならばと。

観客に話しかけてくるおしゃべりキャラクターという触れ込みだったが、別にモノローグの延長線のような印象で、そこまで騒がしくは感じなかった。
まぁ吹き替えだとまた印象が変わるかもしれないが、少なくともヒヤリングと字幕ではセリフを王のに精一杯で(だいたい字幕では要点を絞っていてセリフの全てが訳されてるわけじゃない)、またマシンガントークなら古いけどエディ・マーフィーのような黒人おしゃべりキャラには及ばないと感じた。

だからといってつまらなかったとはではなく、ど迫力のカーチェイスや時間軸の置き換えでデッドプール自体の生い立ちを飽きさせずに見せる工夫、そして容赦ない殺戮(よく見ると刀で切られた脚や腕が飛んでたりするし)等、退屈するヒマは全くなかった。

コロッサスは完全なCGIキャラだったが、その角刈りでごつい体つきに、CSIベガスの初期シーズンにいたオライリー刑事(スキップ・オブライエンという役者さん。残念ながら激やせした上ですでに鬼籍に)を思い出してしまった。
あの役者さんなら銀に塗ってそのままコロッサス出来たなあとか。

最近英会話教室に通うようになったので、なるべくヒヤリングでも少しは聞き取れるようにがんばってはみたが、いかんせん単語を知らないから字幕に頼らざるを得ない現実を突きつけられた。
昔、どうしても早く見たくて輸入盤のターミネーターやロボコップ(ともに一作目のみ)をLDで買って見たが、そういえばアレはセリフがあまりなくてわかりやすかったんだっけ。
デッドプールはよくしゃべるし、小ネタも多いのでわからんことばかりだった。
唯一わかったのはコロッサスに手錠をはめられて連れ去られる場面で字幕では「このロボコップ野郎!」と罵声を浴びせていたが、実際には「Dead or alive,coming with me」とロボコップの劇中でマーフィーが言ったセリフをそのまま使ってたところくらい。でもあのセリフをちゃんと「ロボコップ」と字幕で訳したのは偉いなあ。戸田奈津子では意味がわからなくて別の意訳になっていたに違いない!

ともあれ、お金をかけてど迫力の映画を作るのはいかにもハリウッド流ではあるけど、あの画面演出を考えているのは同じ人間であって、それを予算の力で映像化しているならば、お金のあるなし以前に発送の質が国産映画とはまったく違うんだよね。

チラシは裏一面役者の名前、予告でも一瞬たりとも「これはすごいかも」と思わせてくれないシンゴジラには、予算以上に足りてないものがあると感じてる。
【2016/07/04 17:12 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
セーラー服と機関銃 卒業 二回目
3/15(火曜) 晴れ(13.1度)

今日は自由席なので、前回よりも一列後ろほぼ中央を選ぶ。
上映開始までに集まったのは僕を含めて六名。
爺が二名、壮年女性一名、中年男性二名(自分含め)、やや若めの男性という客層。
前回は女性が一人もいなかったので、この壮年女性は珍しい。

内容は頭に入っているので、場面の補完や聞き取れなかったセリフに集中。
あとパンフで気付いた点とか、そういった部分も。

「カ・イ・カ・ン」のセリフはとってつけたようなエンドロールあとの浴衣姿にかぶせているだけかと思い込んでいたが、冒頭の機関銃発砲シークエンス後の居眠り寝言で言ってたんだ。
完全に忘れていた。
後半のインパクトが強すぎて、この前作オマージュのセリフをまったく失念していたが、これはなるほどというつなぎ。
そもそもカチコミかけてマシンガンぶっ放して「カ・イ・カ・ン」もへったくれもないし(前作薬師丸ひろ子版の印象はこれくらいしかない。当時は赤いマズルフラッシュだし、薬莢も飛ばないし、効果音もダダダダだし)。

僕がこの映画を特に気に入ったのは、映画で描かれている前の時間が流れていること。
回想シーンや説明セリフではなく「こういうことがあったから、今この場面につながっている」ことが、何気ない描写から感じ取れること。

主人公がとってつけたような事件に巻き込まれて、それがなんだか大がかりだからそれまでの日常とかバックグラウンドなんかがなくても勢い見終えてしまうタイプではない。

別に細かく説明臭い人物描写をしなくても、何気ないやりとりの中で描くことは可能なのに、昨今観客の想像力によらない親切丁寧な作りが目立つ(もしくは完全に制作側の自己満足でろくに描かず、勝手に想像しろ的な投げっぱなし)から、そういった意味でもこの映画が好きになった。

橋本環奈の役どころ星泉がやけに貫禄があって、やくざ相手に単身乗り込み啖呵を切る、まったく物怖じしないことに違和感を覚える向きもあるようだが、彼女は高校一年でやくざの親分になり、さらには敵対する組織に乗り込み機関銃を乱射しているわけなので(その後目高組は解散しているが)、そこらにいる女子高生がいきなり親分になってしまった前作の戸惑いやおびえがまるでないことは、むしろ正しい描き方。

なにしろ「セーラー服と機関銃」自体、今回が四回目(うち二回はテレビの連続ドラマ。三作目の長澤まさみ版はけっこう設定を変えているらしい)なので、前の作品と同じように描くよりむしろ「その後」を描いて別アプローチ(いきなりやくざの親分になってしまい戸惑う女子高生という描き方は捨てる)にしたのは大いに評価すべき。

ただ残念ながら「橋本環奈」と「セーラー服と機関銃」というキーワードだけを客が呼べると広報が勘違いしたのが最大の誤算だろう。
事実、三週間で上映終了は完全な打ち切り。
少なくても劇場まで足を運んだ人すらさじを投げてしまうようなトンデモ映画ではなく、意外にも評価が高いからこそ、この不入りは恨めしい。

突っ込みどころもたしかにあるし、その最たる部分が右腕に被弾したはずの武田鉄矢が右手でそのまま発砲はアドレナリンの関係だと補完できるが、最後その撃たれた腕を橋本環奈に担がれているのは左手に証拠品をおそらく入れたバッグを持つしかなかったからと擁護できるとしても、そのあと幾度となく右手で大げさな芝居をうってしまったのはいくらなんでもなんとかならんかったかなあ。
なんか足を引きずっていたけど、二発撃たれた一発は足にでも当たったのかな?

それでも長回しのアドリブの応酬だったという、落ち込む星泉に対して二人の組員がなぐさめる場面はやっぱりおもしろいし、墓堀シークエンスはキャンキャンした叫び声しか上げられない昨今の若手女優の芝居よりはるかによかった。

あと旧来のやくざ同士がちゃんと顔見知りというのも好きな描き方。

画面の面白い演出としては、ギラリと発光するものが背後にいきなり現れる点。
おそらく鏡か何かなのだろうけど(目高カフェの神棚の鏡もやはり光っていたし)、真夏の熱い日差しを入れ込む演出だったのだろうか。

脚本がよくないという感想も目にしたが、星泉がなにかをしようとするとそこに事件が被さってきて(都合二回それが起きる)、結果的にその行動する場面は画面には映らないところで動くことになるという描き方でなかなかおもしろい。
そういやあれってどうなったんだっけ?と思ったら、話の途中で別のことが起きてしまったんだと、二回目の鑑賞で気付いた(一回目は夢中になりすぎて忘れてしまってた)。

また春雄がいつ撃たれたのかが一回目ではわからなかったが、ちゃんとビル窓が開いてそこから発砲されていたことに気付いたし(しかの春雄はその際にのけぞってる)、動きの大きいところだけ見ていると気付かない描写がある。

せっかくくせ者俳優たちを向こうになかなかよい芝居をみせてくれた橋本環奈が、今後流行のイケメン俳優両脇に従えてスウィーツ映画にしか出なくなったら、あまりに惜しい…。

打ち切り前にもう一度くらい足を運ぼうかと考えてる。
【2016/03/15 19:26 】 | 映画鑑賞記 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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